大分県竹田市久住町 医療介護の持続可能な町を目指して

社会医療法人社団 大久保病院

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病院紹介
私たちのビジョン

理事長ごあいさつ

故 大久保健作 前理事長の意志を引き継いで

この度、令和2年6月1日をもって社会医療法人社団大久保病院の理事長に就任いたしましたので、ご挨拶を申し上げます。
はじめに、40余年の長きにわたり地域医療の発展のために粉骨砕身された、故 大久保健作 前理事長に心から感謝し、敬意を表したいと思います。
さて、当法人が立地する久住は山間部へき地であり、近年では少子高齢化・人口減少が特に顕著で、医療機関等を取り巻く環境としては非常に厳しい地域と言えます。しかしながら私たちの使命は、100年続いた当法人を今後も継続・発展させ地域に貢献することにあります。そのため、前理事長の下で学んだことを礎に、全職員が一丸となり誠心誠意努力してまいりますので、これまで同様に皆様のご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
なお、前理事長の思い描いたビジョンを継承しますので、以下に引き続き掲載いたします。

社会医療法人社団 大久保病院
理事長 大久保 彰子

地域社会と一体となったネットワークを構築し、
この地域に必要な医療を残していきます。

当院がこの地に誕生して来年が節目の100年目となります。先代、先先代とつながる家訓<都会にいても、田舎に居ても医療は皆平等に受ける権利がある>家内の家の家訓<24時間医者であれ>これらの思いを胸に秘めながら、私が昔から考えてきた『この地域に医療を残したい』という夢はまだまだ道半ばであります。
特に我が竹田市のような山間僻地地域では社会情勢は以前と大きく変わり人口の減少(特に若者の減少+高齢化)が急速に進んでおりそれに伴い市場原理で学校や病院、移動手段等をなくしてしまえば近い将来町そのものが消滅してしまいかねません。
このような中、現在、団塊の世代が75歳以上となる2025年までに、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしが人生の最後まで続けることができるように、医療・介護・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステム(ネットワーク)の構築が進められています。しかし、これを実行するという事は『言うは易く行うは難し』なのです。
しかしながら竹田市の場合は、その存続をかけ早急に築き上げなければならないネットワークだと思っています。
現場では医療・介護の人材不足、地域包括ケアのサービス体制や施設の不足など、まだまだ多くの問題を抱えています。また今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるため、その地域にふさわしいネットワークを実現するよう、医療、福祉、介護に携わる全ての職種間の意見交換や、高度なリハビリテーションの提供。在宅への橋渡しのマネージメントをするコーディネーターやマネージャーの育成、そして地域のニーズに応えられ、地域医療の諸問題を解決できる全人的な考えを持つ総合医等が必要です。
今日の多様な地域ニーズに対応するためには、単なる医療サービスの提供だけではなく、産官学と一体となった地域医療連携という視点が重要で、そのため当病院は数少ない、僻地に在る社会医療法人としての役割を認識し、その重責を果たすべく 地域社会と一体となったネットワークを是非とも作り上げたいと思っています。
今後とも変わらぬご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

社会医療法人社団 大久保病院
前理事長 大久保 健作

大久保病院の100年

いままでの100年。そして、これからの100年を目指して。

大久保病院は、竹田市久住町に根差した医療を100年継続してきました。長い年月の間、この地域を見守ってきたミヤマキリシマのように、次の100年も地域の皆様に必要とされる病院を目指し、歩み続けたいと思います。

社会医療法人社団 大久保病院の中長期計画

当院が位置する豊肥医療圏(竹田市と豊後大野市)の総人口は、2020年が54,000人、2030年には45,000人となり、10年間で9,000人の減少が見込まれている。これに対し、75歳以上人口は、2020年が14,000人、2030年も14,000人と横ばい状態である。ちなみにその10年後には12,000人(2040年)と2,000人の減少となっている。このことから、総人口の減少の割には、高齢者は減らず、当院の患者のほとんどが高齢者であることから、今後10年の患者の量的ニーズに大きな変化はないと推測される。このような社会状況を踏まえながら、今後10年を見据えた中長期計画を考える。
昨年、当院は100周年を迎えた。地域住民の方々に支えられ、ともに歩んできた100年であり、創立者の「都会に居ても、田舎に居ても、医療は皆平等に受ける権利がある。」という意志を継承し、「この地域に医療を残したい。」という熱い思いを胸に、次の100年に向かって一歩を踏み出したところである。

Ⅰ地域包括ケアシステムの構築

当院は、社会医療法人として地域の中核的医療機関としての役割を担っており、へき地医療拠点病院、二次救急指定病院及び災害拠点病院としての機能を整備してきた。今後は更に、地域包括ケアシステムの中心的役割を担い、高度で良質な医療・介護サービスを提供することは当然のことながら、地域住民・団体、行政、民間企業、他医療・介護施設などとの、多様な連携を構築し、地域住民の安心・安全な生活を支援することを目標とする。取り組みの一つとして、現在、市に要請している高速ネットワーク回線の整備を完了していただき、これを利用した遠隔医療、オンライン診療等を推進し、集落が点在する久住地域だからこそ、その効果を最大限に生かすことができると考えている。加えて、地域住民に対する平時における疾病予防、健康維持増進への取り組み、又は、災害時における住民への協力要請など、地域の関連団体等と協定を結び、住民と一体となった取組を推進し、地域包括ケアシステムの構築に貢献する。

Ⅱ医療の質の向上

AIを活用した画像診断など、先進医療と言われる分野は、急速に進展していくことが予想される。当院においても、これらの情報を確実にキャッチし、これに対応した施設設備の整備及び職員のスキルアップを常に図り、他地域に負けない医療の質の向上に努める。

Ⅲ人材育成について

人材確保自体が厳しい地域性であるが故に、次代を担う人材の育成は重要である。職種・職階に応じた組織的・計画的な教育プログラムを策定し、その教育効果の検証・改善により最適な教育環境を整備する。
職員が、自らの成長を感じ、誇りを持って職務を遂行する専門職能集団としての人材育成を実践する。

Ⅳ健全な財務運営について

最後に、これらの計画の実行は、健全な財務運営があってこそ成し得るものであり、特に、経営分析に基づく、病床の機能強化及び最適な病床運用は必要不可欠であり、職員が一丸となって経営努力を実践する。

令和2年6月1日
理事長 大久保彰子

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